卒園児父
「おはようございます!」
朝の優しく柔らかい光と空気の中、娘の元気な声が響き渡ります。送迎バスが角を曲がってやってくるたび、先生と運転手さんに向けて娘が放つその真っ直ぐな響きは、一日の始まりを告げる清らかな鐘の音のように、私たちの日常を明るく照らしてくれました。入園当初のたどたどしさはいつしか消えていき、瞳に自信を宿して挨拶するその姿に、園での豊かな学びが、娘の心の土壌を耕してくれていることを確信していきました。
この3年間、私たちは、「こばと」という名の通り、小さな翼を精一杯動かして成長しようとする娘の姿を、愛おしく見守ってまいりました。
ある日、娘は自分から、家の中で逆立ち歩きの練習を始めるようになりました。最初は壁に足を預けるのがやっとでした。転んでも、崩れても、また立ち上がり、また逆さまになる。その繰り返しを、飽くことなく続ける娘の姿を、怪我をしないか気にしながらも、そっと見守っていました。
そして、ある日、ついに、歩くことができました。ふらふらと、しかし、確かな足取りで、逆さまのまま前へ進んでいく娘を見た時、私は思わず目頭が熱くなりました。それは単なる運動の習得ではありませんでした。「やればできる」——その言葉を、身体全体で証明してみせた瞬間だったのです。こばと幼稚園が育んでくださった、あきらめない心の、美しい結実でした。
私たち親には、一つの願いがありました。「いつか娘が自分の将来の夢を見つけた時に、それを自らの手で叶えられる力の基盤を、今のうちから身につけさせておいてあげたい」という切実な想いです 。
こばと幼稚園の先生方は、その親心に寄り添うように、「夢育」の言葉通り、娘の頭と体と心に素晴らしい種を蒔いてくださいました。読み書き計算の力、世界を広げる英語力、しなやかな運動能力、音楽や工作などの芸術的感性。さらには、人を思いやる道徳心や、困難に直面しても「やればできる」と信じて立ち向かう気高い姿勢── 。先生方は、娘が生きていくうえでの揺るぎない「生きる力」の基盤を、慈しみを持って築いてくださいました 。
この巣立ちの日。大きく成長した娘の姿を見ながら、胸に込み上げてくるのは、言い尽くせないほどの感謝の気持ちです。園長先生をはじめ、諸先生方、そして温かく見守ってくださったすべての職員の皆様。皆様が注いでくださった陽だまりのような愛情があったからこそ、この「小さな鳩」は、明日への大空へ向かって、強く、気高く羽ばたくことができます。
こばと幼稚園で過ごした眩しいほどの時間は、娘の翼に刻まれた一生の宝物です。3年間、本当にありがとうございました。





